ヴォイサリオン「スプーンの盾」で観劇納め

演劇

私の趣味の一つに観劇がある。

若い時は月1回以上のペースで劇場に足を運んでいたものだが、いつしか回数も減り、

さらにコロナで劇場から足が遠のき、今では年間観劇回数は片手で足りるほどだ。

こうなると、自然と足を運ぶ公演も自分の中でかなり厳選されたものになる。

そんな中、今年の締めくくりとなったのがヴォイサリオンシリーズの「スプーンの盾」。

ざっくり言うと、現役バリバリの人気声優が日替わりで多数出演する朗読劇である。

フランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトと、料理の帝王と呼ばれるアントナン・カレーム、

そしてナポレオンの腹心で天才的外交官のタレーランと、

盲目でありながらカレームの右腕であるマリー。

舞台上にはこの4人と、生演奏を担うミュージシャンの面々のみ。

朗読劇ということもあり、4人の役者はそれぞれ、ピッチャーとグラスが置かれたテーブルと

椅子を用意され、セリフをしゃべる時だけその場で立ち上がるというスタイル。

私が観に行ったのは、大阪で開催された12月28日の夜の部。出演は下記のメンバー。

カレーム:石川界人,ナポレオン:諏訪部順一,マリー:佐倉綾音,タレーラン:関俊彦

実は今年の初めにも同じ作品を観ている。

その時の出演は、カレームとタレーランの役者は今回と同じ。あとの2人は、

ナポレオン:高木渉,マリー:井上喜久子

観る回によって出演者の組み合わせや配役が変わるのもヴォイサリオンの醍醐味だと思うが、

今回は諏訪部ナポレオンが観たいという理由で、カレームとタレーランが前回と同じキャストの

この回を選ぶこととなった。

石川界人氏は私の中でディミトリの人、さらに年始に観たカレームもすごく良かったので

何度でもOKだ。

前回観てから約1年が経過していたが、幕が開き、生演奏が流れ始めると記憶が一気に蘇る。

セットからも調理場らしい温もりが感じられ、目で耳で、この舞台の世界観に浸らせてくれる。

そして諏訪部順一氏のナポレオン、とにかく声が良い。しびれるぜ、アニキ。

いや、本当に想像以上に生声は素晴らしかった。眼福ならぬ耳福の極み。

諏訪部順一氏はタレーラン役は経験済みで、ナポレオン役は今回初めてだったそうだが、

そんなことは微塵も感じさせない堂々たるナポレオンっぷり。

武骨で粗暴で、実はちょっと茶目っ気もあって、でも敵と見なした相手にはどこまでも冷徹で。

皇帝になった後、破滅に向かって暴走し始めるナポレオンを観るのはとても辛かった。

もちろん他の役者の皆さんも素晴らしい。

石川カレームはどこまでも料理にまっすぐで子供のように純粋。

終盤の皇帝っぽい台詞回しは高貴さも感じられ惚れ惚れする。

佐倉マリーは芯の強さが声に表れていて、カレームが大好きなのが伝わる。とっても可憐。

関タレーランは、、、年始に観た時も思ったのだが、私の中での関俊彦氏は

忍たま乱太郎の土井先生と赤い光弾ジリオンのJJ(古い、、)のイメージだったもんで、

生で聴いたお声は、あれ?これがあの関さん?というのが率直な感想。

私の中での関俊彦エッセンスがあまり感じられなかったんですよね。

でもそんな雑念はすぐに消え去り、後はもう彼がタレーランにしか見えなかった。

上手く言えないが、他の3人と比べると、声優と言うよりは舞台役者感が強かった印象。

今後他のタレーランを観て感銘を受けたとしても、

関タレーランは私の中では特別なタレーランとして生き続ける気がする。

最後に余談だが、今回のキャスト、ヒロアカ組が3/4を占めている。

カーテンコールでちょっとだけヒロアカネタがあって、何だか得した気分になった。

年明けからは東京公演。

東京に比べると大阪での公演回数はとても少ないけど、また大阪でも公演お願いします!

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